確定拠出年金相談ねっと認定FP 福田 斉子

2017年 11月 14日

iDeCoの事業所登録って何ですか?

ご相談者様DATA

 

【年齢】 30歳代後半

 

【職業】 会社員 人事担当者

 

【性別】 女性

 

 

 

相談しようと思ったきっかけ

従業員がiDeCoの加入する際に事業主証明書というものを持ってきました。社長にその旨を伝えると、個人のものなのに会社がなぜ記入をするのかを社長に聞かれましたが、説明することができませんでした。ネットで調べる中で、個別相談でiDeCoのことを教えてくれるFPさんを見つけたので相談にきました。

 

 

ご相談内容

iDeCoは従業員個人のものなのに、会社に証明してほしいと言われました。

事業所登録が必要と聞きましたが、それは何なのか、何のために必要なのか、iDeCoの加入をしたいという従業員が来たら、会社は何をしなければならないのかをお知りになりたいということでご相談にいらっしゃいました。

 

 

ご相談でお話しした内容

 

会社員がiDeCoに加入するときは、会社の協力が必要

1 事業主の証明書の発行(新規加入時、転職時等に随時)

2 掛金の納付(給与天引きとした場合、毎月)

3 源泉徴収および年末調整(毎月、年末調整)

4 現況届(年1回(毎年6月頃))

5 事業主の方に関する事項に変更(事業所名称の変更等)があった際の届出(変更の際に随時)

 

 

1 事業主の証明書の発行(新規加入時、転職時等に随時)

 

平成29年1月から年金に加入している20歳以上の国民全員が確定拠出年金に加入できるようになり、iDeCoの手続きをする人が増えています。

第2号被保険者といわれる方は会社員や公務員になります。

第2号被保険者がiDeCoに加入するためには、勤務先で事業主証明書の記入をしてもらわなければなりません。

また、中途入社をされた方がiDeCoに加入しており、引き続き掛金を拠出する場合にも事業主証明書の記入が必要になります。

 

会社にとって初めて従業員がiDeCoに加入する場合は、「事業所登録申請書 兼 第2号被保険者に係る事業主の証明書」を記入して、その従業員が加入申込書と一緒に運営管理機関に提出することによって、事業所登録がされます。

 

 

第2号加入者は、他の企業年金制度(厚生年金基金・確定給付企業年金・企業型確定拠出年金)への加入状況や共済組合の資格の有無等で掛金の限度額に違いがあります。そのため、加入希望者が希望する掛金額がそれぞれの限度額を超えていないか確認することとして、法令上、事業主に証明を行ってもらいます。

企業年金等がない会社員:23,000円

企業年金加入者で、iDeCoの同時加入が可能な規約がある会社員:20,000円

共済組合員、企業年金等の加入者:12,000円

 

 

2 掛金の納付(毎月)

iDeCoの毎月の掛け金は「事業主払込」と「個人払込」の2つの方法があります。

 

「事業主払込」は事業所が加入者の掛金を給与天引きして、事業所の口座から、国民年金基金連合会に口座振替で納付します。

加入者が「事業主払込」を選択している場合は、国民年金基金連合会から事業所あてに、前月の引落結果明細と当月の引落予定明細が記入された「個人型年金掛金納付結果通知書兼個人型年金掛金引落事前通知書」が送られてきます。

これは「事業主払込」を選択している加入者分をまとめたものになっています。

「個人払込」を選択している場合は、事業主の事務はありません。

 

次の3つに注意が必要です。

  1. 掛金を変更した場合
  2. 退職した場合
  3. 休職した場合

 

1.掛金を変更した場合

掛金は、毎年4月から翌年3月までの間で年1回変更することができます。

掛金を変更したい場合は、加入者本人が「加入者掛金額変更届」を運営管理機関に提出します。「事業主払込」をしている場合、国民年金基金連合会から掛金額通知書が送られてきます。事業所の給与事務スケジュールで給与天引きの額が合わなくなる可能性も出てきます。そうならい為にも、国民年金基金連合会は、加入者が「加入者掛金額変更届」の写しを会社に提出してもらうようにする社内ルールをなどで対応してもらうように呼び掛けています。

 2.退職した場合

「事業主払込」を実施している事業所は、速やかに「退職者に係る掛金引落停止依頼書」を国民年金基金連合会に提出する必要があります。

この届出がないと国民年金基金連合会は、引き続き掛金の口座振替の処理をします。

「退職者に係る掛金引落停止依頼書」は、国民年金基金連合会のホームページ(https://ideco-koushiki.jp/)からダウンロードできます。

・・・退職日が月末の場合

  ➡翌月中に提出。翌月の掛金は引落され、翌々月から引落し停止。

・・・退職日が月末でない場合

  ➡当月中に提出。翌月から引落し停止。

3.休職した場合

加入者が、休職等の理由で、掛金を給与天引きできなくなった場合は、2つの方法があります。

・加入者が掛金の納付継続を希望している場合は、納付方法を「個人払込」に変更します。⇒「加入者掛金納付方法変更届兼事業所登録申請書」

・加入者が掛金の納付継続を希望しない場合は、加入者資格を喪失する手続きをして、「運用指図者」として運用のみを継続します。⇒「加入者資格喪失届」

会社としては、これらのことをご案内して差し上げてください。

 

 

3 源泉徴収および年末調整(毎月、年末調整)

iDeCoは小規模企業共済等掛金として、全額所得控除の対象となります。

そのため、「事業主払込」を選択して、掛金の給与天引きをしている事業主は、毎月の給与計算の時に源泉徴収をしてください。

「個人払込」を選択している場合は、年末調整で「小規模企業共済等掛金控除」として税金処理をしてください。

 

 

4 現況届(年1回(毎年6月頃))

第2号加入者は、企業の従業員としてiDeCoに加入できる資格や限度額に変動がなかったがとうかについて、年1回届出ることが法令上、定められているため、事業主の方に証明をしてもらいます。

「第2号加入者の届出書(事業主取りまとめ)兼第2号加入者に係る事業主の証明書」が加入者の加入記録を管理する各記録関連運営管理機関から事業主に送られてきます。証明事項を記載し、返送してください。

届出期日までに提出がない場合、加入者の掛金引落しが停止になることがありますので、注意が必要です。

 

5 事業主の方に関する事項に変更(事業所名称の変更等)があった際の届出(変更の際に随時)

 

  • 事業所の名称または所在地が変わったとき

「登録事業所名称・所在地等変更届」に必要事項を記入して受付金融機関に提出してください。

 

  • 掛金の引落口座や金融機関を変更するとき

  加入者の掛金を給与天引きして、納付している事業所が掛金引落口座を変更する場合は、「登録事業所掛金引落機関情報登録・変更届」に必要事項を記入して、「預金口座振替依頼書」を添付して、受付金融機関に提出してください。

 

  • 掛金納付の方法を変更するとき

 

(ア)「個人払込」から「事業主払込」に変更するとき

 

・「事業主払込」に対応する登録事業所番号がすでにある場合

「加入者掛金納付方法変更届兼事業所登録申請書」に、既に登録されている「事業主払込」用の登録事業所番号を記入して、変更を希望する従業員から受付金融機関に提出してもらってください。

 

・「事業主払込」に対応する登録事業所番号がない場合

「事業主払込」用の登録事業所番号を新たに登録することになります。

「加入者掛金納付方法変更届兼事業所登録申請書」に、事業主の署名・捺印をして、「預金口座振替依頼書」(振替口座は事業主口座)と一緒に、変更を希望する従業員から受付金融機関に提出してもらってください。

 

(イ)「事業主払込」から「個人払込」に変更するとき

 

・「個人払込」に対応する登録事業所番号がすでにある場合

「加入者掛金納付方法変更届兼事業所登録申請書」に、既に登録されている「個人払込」用の登録事業所番号を記入し、事業主の署名・捺印をして、「預金口座振替依頼書」(振替口座は個人口座)と一緒に、変更を希望する従業員から受付金融機関に提出してもらってください。

 

・「個人払込」に対応する登録事業所番号がない場合

「個人払込」用の登録事業所番号を新たに登録する必要があります。

「加入者掛金納付方法変更届兼事業所登録申請書」に、事業主の署名・捺印をして、「預金口座振替依頼書」(振替口座は個人口座)と一緒に、変更を希望する従業員から受付金融機関に提出してもらってください。

 

 

事業所の登録が必要な理由

 

60歳未満の厚生年金保険の第2号被保険者の方は、iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入することができますが、加入の資格要件に関する事業主の方の証明が必要です。毎年1回の加入の資格要件に関する届出が必要とされており、事業主の方に証明してもらう手続きのために、加入者の方の勤め先事業所情報を登録します。

また、いろいろな手続きをする時にも会社の協力が必要になってきます。

そのために国民年金基金連合会に「登録事業所」として、登録しています。

登録に関しては、iDeCoの加入を希望する最初の従業員の方が、会社に記入してもらう書類「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」を提出することによって、登録が完了します。

 

「登録事業所」として登録が完了した事業所に、「事業所登録通知書」が国民年金基金連合会から送られてきます。

その書類に「登録事業所番号」が記入されていますので、他の従業員の方がiDeCoに加入するときや、事業主の方や加入者の方が届出をする際に必要になります。

 

 

このようにiDeCoは、個人のものですが第2号加入者にとっては、会社の協力がとても必要になってきます。

従業員の将来の資産形成のためにも気持ちよく協力をしてあげて下さい。

 

 

 

ご相談者様は、iDeCoに加入従業員のために会社の協力が必要だということを理解してくださいました。次回は、企業型確定拠出年金のことも詳しく知りたいということで相談をお受けすることになりまし。

 

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