配偶者控除が拡大されるので、これを機会にもう少しパート収入を増やしてiDeCoに入れますか?

ご相談者様DATA

 

{年令}33歳

 

{職業} 主婦(従業員500名以下の会社のパート)

 

{性別} 女性

 

{家族構成} 夫38歳会社員(年収500万円)と子供8歳一人

 

相談しようと思ったきっかけ(アンケート抜粋)

 

子どもが小学校にあがったことをきっかけにパートに出ました。

職場にも恵まれ、自分でお金を稼ぐことも楽しく思うようになりました。

でも、扶養の範囲で働くには年収に上限があるということで、103万円に気をつけています。先日、テレビを見ていたら税金の仕組みが変わり、私のような主婦でも、もっとお金を貯める良い方法もあるとのこと。

 

調べてみたのですが、難しいことも多くて、はっきり分かりませんでした。

そこで、以前保険のことでお世話になった浅野さんにお話を聞いたら、それはiDeCo

という国の制度だということで、改めて相談の時間をとっていただきました。

 

相談内容

テレビで2018年1月から配偶者控除が拡大されるとの特集があり、夫の税金が増えないのであれば、これを機会にもう少しパート収入を増やしたいと思ったそうです。

同時に主婦でもできる「iDeCo」の話もあり、こちらにも興味をもったとのことです。

でも、テレビの特集は詳しい話もなかったので、いろいろと知りたいとのことでした。

 

また、ご主人も今は、扶養の範囲で無理せずに働けば良いとの考えで年収103万円までで調整しているそうですが、できれば貯金も増やしたいし今後の働き方含めて相談したいとのことでした。

ご相談でお話した内容

 

iDeCoは、2017年から掛け金の上限はそれぞれ違うんですが、主婦も公務員も誰でも掛けれるように改正され、掛ける人に超税制優遇がプレゼントされる国の制度です。

  1. 掛け金全額所得控除
  2. 運用益非課税
  3. 受取時は退職所得控除または、公的年金控除これは、差し押さえ禁止債権という、万が一自己破産などしても守られるお金です。
  4. とても安心ですよね。
  5. 60歳まで鍵のかかった自分の貯金箱に入れていきます。

 

パートで働く主婦もお得な積み立てiDeCoは掛け金全額が所得控除なので年収103万円に毎月2万円のパート収入を増やして、それをiDeCoで積立すると税金を払うことなく貯蓄ができるので妻本人は得なのですが、夫の配偶者控除が配偶者特別控除となり夫の税金控除が38万円から16万円へと減額されます。つまり、夫の所得税率が仮に10%とするとこの控除額の減額は実質22,000円増税、住民税も控除枠が33万円から16万円となり実質17,000円増税となってしまいます。

 

それが、今回の改正で2018年からは配偶者控除が150万円に拡大します、

今までの年収103万円に毎月2万円多く働いて年収127万円になっても配偶者控除が適用になりますから、ご主人の節税も不利になることなくそのまま継続です。

また妻自身も年収127万円であれば、社会保険料も加入しなくてもすみます。

(500名以上の企業は106万円から社会保険加入ですが)

 

増えた年収のうちiDeCoに月々2万円掛け金として貯蓄すると所得控除となるので、

給与所得控除・・・65万 

基礎控除・・・38万円

小規模企業共済等掛金控除(iDeCo)・・・24万円

 

所得税の計算は、

127万円-65万円-38万円-24万円=0円

課税所得0円で、所得税0円です。

 

住民税の計算は、

127万円-65万円-33万円-24万円=5万円

課税所得5万円×10%=5千円が住民税です。

 

つまりご主人も増税なし、妻も月2万円多く働きiDeCoで税金を払わずに貯蓄を増やせるわけです。

 

ここまで、よろしいですか?

 

次に、年収150万円で働く場合をシュミレーションしましょう。

ここで、知っていただきたいのが、年収が130万円になると

社会保険に加入する必要がありということです。

 

では、iDeCoに加入しない場合からご説明しますね。

 

社会保険料は、225,000円(15%と仮定)

所得税の計算は150万円-65万円-38万円-225,000円=245,000円

課税所得245,000円で、所得税は、5%で、12,250円

住民税の計算は150万円-65万円-33万円-225,000円=295,000円

課税所得95,000円で、住民税は10%で、29,500円

税金合計41,750円となりますね。

 

それではiDeCoに加入して月々23,000円掛けた場合ですが、

 

掛け金は、小規模企業共済等掛控除が276,000円となり、

所得税の計算は、150万円-65万円-38万円-225,000円-276,000円=-31,000円

課税所得は0円となり、所得税0円です。

 

住民税の計算は、150万円-65万円-33万円-225,000円-276,000円=19,000円

課税所得19,000円で住民税は、1,900円

税金合計1,900円となりますね。

 

 

年収127万円

年収150万円

iDeCo

なし

月2万円

なし

月2.3万円

税金

41,000円

5,000円

41,750円

1,900円

手取り

1,229,000円

1,265,000円

1,233,250円

1,273,100円

貯蓄(iDeCo)

0円

240,000円

0円

276,000円

 

いかがでしょうか?

年収150万円になると妻自身が社会保険に加入するため社会保険料の負担が増えます。従って年収127万円の時とそれほど手取りは大きく増えません。

しかし、年収150万円で仮に60歳まで27年間働くと、老齢厚生年金が年間約22万円増えます。つまり月2万円近く終身でいただけるゆとりのお金を作ることが出来るんです。しかも年間276,000円をiDeCoで積立てれば、こちらも27年間で745万円(元金のみ)ものお金を作ることが出来ます。

 

せっかく職場にも恵まれお仕事ができる環境にいらっしゃるのですから、年収150万円にして、ご主人の増税無しで、社会保険に加入するのは、とても良いかもしれませんね。

 

ただし、ご主人の会社の家族手当などにも影響するかもしれませんので、確認してくださいね。

 

 

 

まとめ

 

次回は、ご主人とご一緒にお越し頂き、今後の奥様の収入増の金額設定と、

ご夫婦の老後資金作りの具体的な金額目標と手段の確認、実行、家計の見直しなどの作戦会議をしましょう。ということになりました。

この記事を書いた人
FP相談ねっと

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