保障に外貨建てがNGなわけ

こんにちは、確定拠出年金相談ねっと 代表の山中伸枝です。

 

2017年9月23日付日経新聞朝刊に「教育費に外貨保険の注意点」という記事がありました。

私も教育資金を外貨建て保険の解約返戻金を見越して準備をするという提案については、やはり反対です。

教育費=学資保険100%でという公式についても私は「?」ですが、そもそも論として保障に外貨はNGだと思うのです。

 

最近は長期金利の低下で、円での運用が難しくなり保険会社は「外貨の方がお得」と外貨建て保険をお勧めしてくることが多いようです。

「保障」と思って保険に入るなら、絶対円ですよ!

例えば死亡保障。

ドルでもらってどうするんですか?家族が亡くなって経済的に、精神的に大変な時にドルですよ。

為替が円高に振れていたら円安になるまでまって円転すればって保険営業マンに言われました!そんな風におっしゃる方もいますが、保険は万が一の時に手元にお金がないから入るものなのですから、そんな「円安を待って」ないと使えないお金なんて意味ないですよ。

学資保険も然りです。お子さんの大学進学の際、円高だったら元本が著しく毀損するようでは入学金も払えません。

もし外貨で運用して将来の教育資金を作りたいということであれば、保険じゃない方がいいでしょうね。為替の変動時の対処も自由がききます。

保障として考えるのであれば、円です。

保険料が過去より上がったとしても、保障という仕組みであれば、保険は「お得」なのです。なぜかと言うと、保険は少しの掛金で万が一の時に大きなお金がもらえる「仕組み」です。払ったお金より保険金が少ないなんて、それを保険とは呼びません。

 

資産形成のひとつとして保険を考えるのであれば、外貨建ても0%ではありません。

しかし、絶対にファーストチョイスではありません。いろんな理由を複合的に考えて、100歩ゆずってまぁ0じゃないなってくらい。

だって、そもそも為替のリスク、年利2~3%なんて、吸収できないし、毎月の保険料の支払い時、受取時の為替手数料、そこそこ取られますから。

それに投資として考えると、保険会社に「保障」されているということは、ものすごく投資成績が悪くても、最低保障を受ける代わりに、ものすごく投資成績が良かったら、儲けも上限が「保障」されているってことなんですよ。

いわゆるオプションの世界で、さまざまな条件付けをしてお金に「保障」をつけているんです。オプションというのは、胴元が損をしない仕組みです。そのように作っているのです。この場合、保険会社は胴元です。

 

なんでもかんでも保険という概念は卒業しましょう。保障と資産形成は違います、しっかり区別しましょう。特に為替のリスク、解約時の取扱いを理解せず保険を貯蓄として使うのは失敗のもとです。

 

保険営業マンも、なんでもかんでも保険を勧めるのはやめましょう。保障は保障として本来あるべき役割で考える方が良いと思います

 

日経のこの記事のお隣のページに掲載された私が登壇するイベントの告知(笑)