確定拠出年金相談ねっと

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2017年 04月 10日

子どもの将来を案じて定期預金をiDeCoに振り替えてはいけない!

こんにちは、確定拠出年金相談ねっと 代表の山中伸枝です。

 

あっ、これマズイな!って思ったことがあるので、ご案内します。

 

今の若い人は所得が少ない方も多いし、雇用形態が多様化していて、正社員として安定した給与をもらっている人ばかりではありません。

この状況は、高度成長期に子育てを経験してきた60代、70代の親からすると、心配で心配でしょうがないものです。

だから、親ごころから子どもの国民年金を親が支払っていたり、年金保険を親がかけていたり、預金したりしているありがたい親御さんもいらっしゃいます。

 

こういう子どもを心配する親御さんに対して、「お子さん名義の定期預金、iDeCoにしませんか?税金分得しますよ」というアプローチがあるそうなので、ちょっと冷静になって考えてみましょうね。

 

例えば、子ども名義(こどもといっても成人しているケースです)の定期預金が300万円あったとしましょう。

子ども35歳、独身、親と同居。残念ながら仕事があまり続かず、収入が不安定。現在は国民年金の被保険者で親が国民年金保険料を出しているというケースで考えます。

(現在国民年金保険料は16,490円です。国民年金保険料は、年収に関わらず定額なため、収入が少ない人にとっての負担率は大きくなります。一方厚生年金保険料は、定率なので、収入が低い人にとっては、負担感は少なくなります。)

親御さんはこのように銀行からお話を聞いていました。

毎月の掛金は節税になる、と。

まず、掛金の所得控除は間違いありませんが、所得が低ければその節税メリットは非常に限定的です。例えばアルバイトのような形で働いて年収が100万円程度であれば、そもそも所得税は負担していないのですから、iDeCoをしたからといって節税にはなりません。住民税も然りです。

もちろん、親の所得控除にもなりません。iDeCoの掛金は「小規模企業共済等掛金控除」、これは契約者のみの控除ですから親の所得から差し引くことが出来ません。国民年金の保険料は生計を一にしていれば、親が自分の所得から控除することができるので、勘違いされやすいのですが、iDeCoの控除は加入者本人のみ、つまり子どもだけです。

その親御さんは、できるだけ多くの掛金を出してあげよう(定期預金からの振替)とお考えでしたが、ここでも再検討の余地がありますね。

 

親御さんは今定期預金をしている銀行からiDeCoを勧められたので、当然その銀行でiDeCoをするつもりでしたが、手数料が運営管理機関ごとに異なることなど全くご存じありませんでした。むしろ、手数料があることさえも認識されていない状況でした。

「定期預金をiDeCoに振り替えるだけで税金が得する。低金利時代に少しでもお金を増やしてあげたい」という親心ですが、税金が得するどころか、勧められたiDeCoの定期預金では、お金を増やすより手数料分目減りする方が先になってしまいます。

 

まして、iDeCoに振替たら、すぐに使えないお金になります。本当にそれで良いのか、しっかり考えてほしいのです。

 

むしろ、子どもには教えていないというその300万円の定期を、お子さんの責任下にしてあげて、ご本人の今後のために最もよい使い道をかんがえさせた方が良いのではないかと思います。

例えば、健康状態に問題がないのであれば、一人暮らしをする、資格取得のために勉強する、などなにかご本人のこれからのための決断をすることもできるでしょう。少なくとも親が子どもに内緒でiDeCoをする以外の方法があると思うのです。

いろいろな状況があるなかで、「これが正解」というのもないとは思いますが、少なくとも子ども名義の定期預金をiDeCoに振り替えるだけで得するというのは、間違いです。

 

iDeCoは老後ための資産形成です。老後の資産形成は、今の自分が年をとった自分に対する仕送りです。まず「今」の自分がしっかり現在を見つめることから始まります。

そこを間違っちゃいけないし、ましてや金融機関は子どもの行く末を案じる親心を変に誘導してはいけないと思います!

 

 

もし、「寝かせているお子さん名義の定期預金、iDeCoにしませんか?」と誘われたら、一旦踏みとどまってくださいね。本当にお子さんのためになるのか、またお子さんの将来を考えるってどういうことなのか、今一度考えましょう。

 

親が先回りしていては、なんの解決にもならないように思います。

iDeCoを勧められたら、お子さんも交え、今後の人生設計を考えるきっかけとしていただきたいと思います。

iDeCoだけが解決方法ではないかもしれませんよ。

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