老齢年金受給要件25年から10年に短縮

2016年8月3日の日経新聞朝刊「家計負担増 中長期で備え」はとても分かりやすい記事です

この記事の中で老齢年金受給要件、25年から10年に短縮が財源確保のメドが立つので来年実施とのことです

これにより約64万人の無年金者があらたに年金を受け取れるようになります

記事では低所得者層への恩恵を書いていますが、意外と年金加入期間が15年から20年程度あって、厚生年金にも入っていた人という条件の方で今回の要件改正で救われる方も多いのではないかなと感じています

なぜならば、基礎年金部分の老齢年金受給要件を満たすと、上乗せである厚生年金については1か月以上の加入歴があれば受給可能だからです

 

仮に国民年金加入15年とします

すると国民年金は1年加入することで約2万円の老齢基礎年金額ですから65歳からの年金は約30万円です

この方は若い時から一人で事業をされていて、当初はずっと年金未納、45歳で法人なりをして厚生年金に加入したとします

給与は月60万円とっていたとの仮定で計算すると、15年間の厚生年金加入によって65歳から受け取れる厚生年金は年間約60万円です

もし老齢年金受給要件が25年のまま据え置きであればこの方は年間約90万円の終身年金の権利を永遠にえることができませんでしたが、今回の改正により月8.3万円の終身年金を得ることができるようになります

報道ではあまり触れられませんが、国民年金の受給ができるということは、厚生年金の受給もできるということです

25年には満たなかったけれど10年、15年と年金払っていたという方も多いはずです

 

今一度ご自身のねんきん定期便をチェックして、老後の生活保障考える必要があるかと思います

 

関連記事

老齢年金額を試算する
公的年金の受給額を調べるためには、ねんきん定期便を活用します。 ねんきん定期便は、平成21年度中にすべての加入者に送付される大事な個人年金記録証です。 加入者の誕生月に順次配布されますので、詳細を必ず確認し大切に保管しましょう。   ねんきん定期便に関するお問い合わせ 社会保険庁 http://www.sia.go.jp/top/kaikaku/ki……
連載:人生100年時代のビジョンマップ 厚生労働省年金局青山課長との対談 第2弾
こんにちは、確定拠出年金相談ねっと 代表の山中伸枝です。   ファイナンシャルフィールドさんでの連載:人生100年時代のビジョンマップ ~心もお財布も幸せに生きよう~ 厚生労働省年金局の青山課長に引き続きお話を伺っていきます。   今回は「国の年金って大丈夫なんですか?」 ぜひご覧ください。    ……
老齢年金受給要件とは?
こんにちは、心とお財布を幸せにする専門家、 ファイナンシャルプランナーの山中伸枝です へ~、これっていいんじゃないの? って、私は思っていますよ 老齢年金受給要件の短縮です 年金って保険料をちょこっと支払っただけでは もらえないんですよね 老齢年金も、障害年金も、遺族年金もです 特にこの老齢年金というのは20歳から60歳までの 40年間のうちで25年以……
年金の世代間格差を検証する
2015年9月28日に厚生労働省が発表したデータを元に、各社「世代間格差」の記事を掲載しました参考記事 読売オンライン  BLOGOS厚労省データreport2014_section5 ちょっと気になったので、今の20歳が以下の条件で年金制度に加入したらどうなるのか検証してみました <計算の前提> 夫20歳、会社員 給与40万円(60歳までの平均給与と仮定)……